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「小鳥さんの痛風について」

2024.07.01

いよいよ梅雨明けも近づき、夏本番も迫っております。

各地でビアガーデンやBBQなどが開催され、夏の夜長、よく冷えたビールで日中の暑さや疲れを癒やすべく、乾杯される方も多いのではないかと思います。

今回は、小鳥さんの痛風についてお話します。

 

痛風とは体内で尿酸の濃度が高くなり、鋭い針状の尿酸ナトリウム結晶ができる病気です。

 

ヒトは、夏に美味しいビールなどに多く含まれる、プリン体が体内で分解されると、最終的に尿酸ができます。

高尿酸血症はプリン体の代謝異常によって生じます。

30~50代男性に多く、アルコールや肉類、糖の摂取量が多い食事や、肥満体型が痛風の発症リスクとされています。

 

一方、小鳥さんは、タンパク質の最終代謝産物が尿酸です。

哺乳類はタンパク質を体内でアンモニアに分解し、更に尿素にして尿を生成して排泄しますが、小鳥さんは尿酸にして排泄します。

タンパク質の多いごはんや、老廃物を排泄する腎臓の機能が低下すると、血液中の尿酸が増えてしまいます。

 

痛風は、結晶ができる場所によって、①関節痛風、②内臓痛風、③腎臓痛風、があります。

 

①関節痛風は、尿酸が特に脚の関節や軟骨などの組織に沈着し、激しい痛みを伴います。

主に高齢のセキセイインコさんで多く、オカメインコさんやラブバードさんでも発症することがあります。

脚の挙上や跛行、趾が曲がらない、握力が低下し止まり木から落ちてしまう、などの症状が認められます。

進行するとクリーム色の尿酸結節が大きくなり、数も増え、真珠様の結節ができます。

痛風結節の好発部位は脚の関節ですが、徐々に脚全体、翼端部関節、脊柱関節など全身に広がり、結節が破裂して尿酸が漏れ出すこともあります。

 

②内臓痛風は、主に肝臓や心臓などの膜に沈着し、特に、腎臓に結節を形成している場合は、③腎臓痛風、と呼ばれます。

突然死を引き起こし、死の直前に、脱水、多尿、枯れ枝様の脚や坐骨神経圧迫による脚の挙上などの腎不全の症状がみられることもあります。

死後の病理解剖で初めて分かることがほとんどです。

 

痛風は、高齢の小鳥さんや、肥満や運動不足の子で発症しやすく、また、ビタミンAの不足や、カルシウムやタンパク質の過剰摂取が腎臓の機能低下を引き起こすことがあります。

 

腎臓は1度悪くなってしまうと、改善することができない臓器と言われています。

定期的に健康診断を受け、結節ができてしまう前に、腎臓の機能低下の進行を遅らせ、残りの腎臓を守る治療を開始することがとても大切です。

普段から、栄養バランスの良いごはん、適度な運動を心がけましょう。

 

当院では、おうちの小鳥さんの健康診断や、ごはんの相談など、病気の予防や早期発見に力を入れております。

心配なこと、ご不安なことなどございましたら、ご相談ください。

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