Breeding surgery
繁殖器外科

Breeding instinct生殖器の異常や繁殖トラブルに対応
小鳥さんの外科の中で最も多い種類の1つになります。小鳥さんにとって「本能として子孫を残す。」と言う大切な命題があります。そして、飼い主様は小鳥さんを大変に可愛がり、時に甘やかします。その結果、小鳥さんは繁殖行動を強くします。それが持続してしまうため、病気のリスクが上がっていきます。
繁殖器外科治療に対する当院の方針
当院では、小鳥さんの外科手術を行います。
ただ、小鳥さんの状態、状況などを勘案して飼い主様と相談の上で行います。
できる限り小鳥さんに負担の少ない治療を行うことに重きを置き、飼い主さまに治療方針を提案いたします。
生殖器外科は、ごはんや体重管理などの生活改善や、内科療法と合わせて治療を行います。
繁殖器の検査
問診で生活環境、お食事、発情行動、発情対象、産卵歴などをお伺いします。
視診、触診、ライティング、聴診、そ嚢検査、糞便検査、レントゲン検査、超音波検査、血液検査を行い、総合的に判断して確定診断を行います。
必要に応じて、遺伝子検査で性別の確定や、ウイルス疾患との鑑別を行います。
繁殖器の治療について

繁殖器の治療については、内科療法と、外科療法があります。
内科療法では、生活環境の改善指導や、ごはんや体重の管理を行い、必要に応じて経口薬や注射薬で治療を行います。ホルモン抑制剤等を用いることもあります。
外科的処置は、緊急の場合、内科療法での治療が困難な症例、効果が認められない場合などに選択をします。
内科療法
- 薬物療法
- リュープロレリン(GnRHアゴニスト)や発情抑制剤を使用し、発情や産卵などの繁殖行動を抑える方法があります。過剰な発情による病気や産卵による体力消耗を軽減し、繁殖疾患を抑制する目的で選んでいきます。
ほかにも、生殖器の炎症や痛みを緩和するための薬や、感染症対策としての抗生物質など、多方面から症状を管理します。 - 栄養管理
- 過剰な栄養は繁殖行動を誘起しますが、バランスを欠いた栄養管理は体調を崩すきっかけになります。そのため、その小鳥さんに合った栄養指導をすることによって健康と発情抑制のバランスをとっていきます。
- 行動管理
- 発情抑制のために色々環境の変化を行います。ただ、おもちゃを減らしたり、場所を変えたりしたときに強いストレスになる場合があります。ストレスは発情をコントロールします。ただ、QOL(生活の質)を下げすぎても小鳥さんは幸せにはなれません。そのため、行動管理はその小鳥さんに合った方法が必要になります。小鳥さんだけでなく、飼い主様と一緒に考えてストレスの少ない、でも発情抑制につながる管理をします。
外科療法
- 卵摘出手術(卵詰まりの場合)
- 卵が排出できずに詰まっているときには、緊急の処置が必要になる場合があります。早期に取り除けば、全身の状態を悪化させるリスクを抑えられます。
- 卵管摘出
- 卵管の腫瘍や過度な産卵により深刻な症状が起こったときには、手術で生殖器を摘出する方法も検討します。
- 総排泄腔脱手術(クロアカ修復手術)
- 排泄孔周辺の組織が脱出しているときは、できるだけ早期に整復を行わないと感染症や壊死のおそれがあります。状況に応じて外科的処置を検討します。また、卵管脱の場合、緊急手術を必要とする場合もあります。
こんな症状は
ありませんか?
- 元気がない
- 便が出ない、または渋っている
- お腹をける
- お尻から何か赤い物が出ている
- 卵が出てこない
- 部位不明の出血
- 食欲や体重が急に増えた
- よく骨折する
- 吐き戻しする
- 食欲の低下または廃絶
- 嘔吐がある
- お腹を見る
- 下にうずくまっている、立てない
- お腹が大きくなってきた
- お鼻(ロウ膜)の色や形が変わってきた
- 男の子が飛行機ポーズをする
- 攻撃性が増した など
繁殖器外科の主な疾患
- 精巣関係
- 精巣腫瘍
- 精巣過形成
- 精巣ホルモン異常 など
- 卵巣関係
- 卵巣炎
- 卵巣腫瘍
- 卵巣嚢胞
- 卵墜症 など
- 卵管関係
- 卵管炎
- 卵塞症(卵秘)
- 卵管蓄卵材症
- 卵管嚢胞
- 卵管水腫
- 卵管腫瘍
- 卵管脱
- 卵管破裂
- 卵管捻転
- 右卵管遺残 など
- その他
- 腹壁ヘルニア
- その他のヘルニア
- キサントーマ など
よくあるご質問
- 卵づまりを予防する方法はありますか?
しかし、過剰な繁殖行動は健康を強く損ねます。病院と相談しながら食事管理や日照時間の調整、巣材を与えすぎない工夫をすることが抑制には有効です。さらに、卵づまりは急激に小鳥さんの体調に異変をお恋します。少しでも様子が気になる場合は早めに当院にご相談ください。
小鳥さんの卵づまりを予防するには、栄養バランスの良い食事と適度な運動環境を整えることが大切です。カルシウムやビタミンDを適切に摂取できるようにし、直接の日光浴(気温や外敵に注意しながら)や紫外線ライトでの照射を行い、体内のカルシウム吸収を増やし、低カルシウム血症による卵づまりを防止しましょう。- 生殖器異常が見られた場合の対処法を教えてください。
生殖器の異常は、嚢胞、水腫、感染症や卵づまり、腫瘍などが原因である可能性があります。自己判断での処置はかえって症状を悪化させることがあるため、獣医師による専門的な診察が必要です。また、異常に気付いた時点で小鳥さんを静かで暖かい環境に置き、ストレスを軽減するよう努めてください。
小鳥さんに生殖器の異常が見られた場合、例えば膨らみや腫れ、出血、異常な分泌物、起立不能、呼吸促拍などがあれば、速やかに当院へお連れください。