小鳥さんのおうちでの事故|小鳥の病気でお悩みなら、川口市の小鳥のセンター病院にご相談ください。

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季節ごとに、小鳥さんと一緒に生活する上での注意事項をお知らせしています。
少しでも小鳥さんのことを知って、お役に立てればと思います。

小鳥さんのおうちでの事故

2024.02.01

梅のつぼみがふくらみ、春が待ち遠しい季節となりました。

まだまだ、寒い日が続きますが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

 

この季節、小鳥さんとあたたかいお部屋で過ごす時間が増えるかと思います。

特に気をつけたいのが、お部屋で放鳥中に起こる事故です。

 

小鳥さんのご家庭での事故の多くは、同居鳥さんやわんちゃんはネコちゃんによる咬傷、踏んでしまった、扉で挟んでしまった、壁などに激突してしまったなどの外傷や骨折、火傷、誤食による感電や中毒、ガスやアルコールスプレーなどの有害物質を吸い込んでしまったことによる中毒、などがあります。

 

どれも、放鳥中に飼い主さまが目を離さないよう気をつけていれば、防ぐことのできる痛ましい事故ですが、悲しいことに、おうちでの事故が原因で緊急入院になる子は後を絶ちません。

また、元気消失や、削痩、食欲低下など別の主訴で受診され、検査をしてみると、結果的に放鳥中の事故が原因だった、と後から分かるケースもあります。

 

今回は、事故が起こってしまってから、飼い主さまが早期発見でき、すぐに病院を受診できる可能性が高い、咬傷、外傷について考えてみます。

 

外部からの強い圧力により、皮膚の損傷や出血、外傷部位によっては脚損傷による歩行障害、嘴損傷による摂食障害など、機能障害が生じます。

骨折してしまうと、骨折部位の腫脹や内出血による黒色化、骨折端が体外に飛び出してしまう開放骨折がみられることがあります。

また、背骨の椎骨や脊髄を損傷してしまうと、対麻痺などがみられ、生命維持に関わるも中枢神経がダメージを受けてしまいます。

過産卵や栄養障害などで骨が弱っている子は、運動や保定などの小さな圧力でも折れてしまうため要注意です。

また、胸腹部が圧迫されることで臓器がダメージを受け、腹腔内出血を起こしてしまうこともあります。

血液で肺や気嚢が圧迫され、呼吸困難担ってしまうと、血液で溺死してしまうこともあります。

鳥さんの血液量は体重の10%で、健康な小鳥さんの安全出血量は、全血液量の10%とされており、それを上回ると命の危険に曝されることも珍しくありません。

体重35gセキセイインコさんの全血液量は3.5ml、安全出血量は0.35mlの約7滴です。

ほんのわずかな量でも、小鳥さんにとっては致命的になってしまいます。

 

小鳥さんが噛まれてしまったり、誤って踏んでしまったなどの場合は、すぐに病院を受診しましょう。

たとえ、事故直後は元気だったとしても、臓器がダメージを受けていた場合、内出血が広がり重症化することがあります。

 

治療は人間の交通事故と同じく、絶対安静が基本で、呼吸状態が悪い場合は酸素室に入って頂きます。

病院では、止血剤や痛み止め、二次感染を予防するための抗生物質などの投与を行い、呼吸の状態によってはネブライザーの吸引処置を行います。

また、皮膚の裂傷や骨折部位によっては、麻酔下での外科的処置を行うこともあります。

 

痛ましい事故を防ぐためにも、小鳥さんをお部屋で放鳥する際は、怪我や誤食に繋がってしまうような危険なものがないかを確認した上で、小鳥さんから目を離さないようにしましょう。

 

小鳥さんが集中力を持続できる時間は20分程度とされており、飽きてしまうと、いたずらや誤食をしてしまう子もいます。

短い時間で区切って、集中して遊んであげることで、小鳥さんのメンタル的な満足度も向上し、問題行動の防止の効果も期待できます。

 

小鳥さんとのおうちでの過ごし方や、万が一、事故が起こってしまった場合の対応など、気になることがある場合は、ご相談ください。

 

皆さまが小鳥さんと、楽しいおうち時間を過ごすことができるよう、お手伝いできれば幸いです。

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