繁殖器科
小鳥さんの外来の中で大きな部分を占める疾患です。この疾患がない日はないと言うほど出会います。小鳥さんにとって「本能として子孫を残す。」と言う大切な命題があります。そして、飼い主様は小鳥さんを大変に可愛がり、時に甘やかします。その結果、小鳥さんは繁殖行動を強くします。それが持続してしまうため、病気のリスクが上がっていきます。
繁殖器科に対する当院の方針
当院ではこの問題の根本的な飼い主様と一緒に見つけていきます。小鳥さんにとっては大切な事、しかし、その大切な事が病気につながり、ひいては病気になり、余命に関わる事態に発展します。まず、小鳥さんの状態をしっかりと把握します。そして、飼い主様に飼い方等を詳しく聴取します。そして、小鳥さんに負担の少ない治療を行うことに重きを置き、飼い主さまに治療方針を提案いたします。 生殖器科は、生活環境やごはんの改善指導や、体重や体型のコントロールと、内科療法と合わせて治療を行います。
繁殖器の検査
問診で生活環境、お食事、発情行動、発情対象、産卵歴などをお伺いします。視診、触診、聴診、そ嚢検査、糞便検査、レントゲン検査、超音波検査、血液検査を行い、総合的に判断して確定診断を行います。
必要に応じて、遺伝子検査で性別の確定や、ウイルス疾患との鑑別を行います。
繁殖器の治療
繁殖器の治療については、生活環境の改善指導や、ごはんや体重の管理を行い、必要に応じて経口薬や注射薬で治療を行います。ホルモン抑制剤を用いることもあります。代謝や筋肉、脂肪の付き方には個体差があり、換羽や発情等の時期によっても異なるため、定期的な体型を体格や発情のチェックが必要となります。
内科療法での治療が困難な症例や、効果が認められない場合は、繁殖器外科による外科処置に切り替えます。
こんな症状はありませんか?
~ 繁殖器疾患の主な症状 ~
・異常に発情が続く
・産卵が止まらない
・元気がない
・呼吸が速い
・食欲の低下または廃絶
・便が出ない、または渋っている
・嘔吐がある
・お腹をける
・お腹を見る
・下にうずくまっている、立てない
・卵が出てこない
・お腹が大きくなってきた
・部位不明の出血
・お鼻(ロウ膜)の色や形が変わってきた
・食欲や体重が急に増えた
・男の子が飛行機ポーズをする
・よく骨折する
・攻撃性が増した
・吐き戻しする
など
~ 繁殖器疾患の主な疾患 ~
卵管関係
・卵管炎
・卵塞症(卵秘)
・卵管蓄卵材症
・卵管嚢胞
・卵管水腫
・卵管腫瘍
・卵管脱
・卵管破裂
・卵管捻転
・右卵管遺残
など
卵巣関係
・卵巣炎
・卵巣腫瘍
・卵巣嚢胞
・卵墜症
など
精巣関係
・精巣腫瘍
・精巣過形成
など
その他
・腹壁ヘルニア
・その他のヘルニア
・キサントーマ
など