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季節ごとに、小鳥さんと一緒に生活する上での注意事項をお知らせしています。
少しでも小鳥さんのことを知って、お役に立てればと思います。

小鳥さん「小鳥さんの総排泄腔脱」

2024.05.01

野生の小鳥さんたちは、暖かくなってくる早春から夏にかけて発情期を迎えることが多いとされています。
古より、春の季語として親しまれている「うぐいす」は、別名「春告鳥」とも呼ばれ、3月頃から5月頃ごろまで、全国でさえずりを聞くことができます。
この鳴き声は男の子の発情期によるもので、求愛や、縄張り主張をしています。

一方、自然界より環境の整った屋内で生活するおうちの小鳥さんは、年に数回発情期を迎えます。
発情対象は小鳥さんだけでなく、飼い主さまやおもちゃなどに対して発情します。
飼い主さまのお洋服にもぐったり、おしりをこすりつけたり、止まり木や鏡に向かってごはんを吐き出すなどの行動がみられます。

今回は、小鳥さんの発情に関係する疾患である、総排泄腔脱についてお話します。

総排泄腔(クロアカ)は消化管と泌尿生殖器がつながる袋状の管で、糞道と尿生殖道が、肛門道に繋がっています。
総排泄腔は腹腔内に固定されておらず、卵づまりのなどが原因で外へ反転してしまうことがあります。
「総排泄腔脱」とは、総排泄腔が外転してお尻の孔から脱出した状態のことで、脱出した粘膜は外気の刺激や自咬、お尻の穴からの圧迫で嵌頓状態となって腫れてしまい、自然整復が難しくなります。
できるだけ早く元の位置に戻さないと、粘膜が障害を受けて壊死してしまい、尿閉塞などを起こして命に関わります。

総排泄腔脱の原因は、産卵、卵内包性、その他の繁殖器疾患によるものがあります。
産卵による卵管や総排泄腔の炎症や腫れが残っている状態で、イキミが持続すると、反転してしまうことがあります。
また、産卵時、卵の出口である卵管孔が充分に開口できない状態のままでイキミが強い場合、膣部に卵を内包したまま総排泄腔が脱出してしまいます。
その他、生殖器の腫瘤などによって、物理的な圧迫などから生じることもあります。

軟卵などの卵質異常による卵づまりや、初産、過産卵の小鳥さんで発生率が高く、再発を繰り返すことが多いといわれています。

おしりから赤いものが見えている、という主訴で来院される小鳥さんが多く、疼痛、食欲不振、膨羽や沈鬱などの症状が見られます。
また、自咬によるお尻からの大量出血や、壊死、疼痛によるショックや感染などから、来院時、既に、命が危ないケースもあります。

脱出した臓器は早急に体内に戻し、再脱出する場合は、お尻の縫合の処置を行うこともあります。
糞尿が閉塞してしまうなどのリスクを考慮し、抜糸まで、入院で治療をすることがほとんどです。

当院では、発情によるトラブルの予防のため、おうちでの発情コントロールの外来を行っております。
飼い主さまの生活リズムや、鳥さんの生活習慣やごはんなどを考慮し、定期的に状態をチェックしています。
小鳥さんの発情のトラブルなどについて、ご心配なことございましたらご来院ください。

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