季節ごとに、小鳥さんと一緒に生活する上での注意事項をお知らせしています。
少しでも小鳥さんのことを知って、お役に立てればと思います。
小鳥さんの過緊張性発作
2024.10.01
文学の秋、おうちで読書を楽しまれる方も多いのではと思います。
小鳥さんに関する作品で有名なものの1つに、夏目漱石の「文鳥」があります。
作中では、文鳥さんの命の儚さが描かえています。
今回は、文鳥さんに関わる、過緊張性発作についてお話します。
小鳥さんは、過度の緊張状態によって発作が生じることがあります。
特に、神経質な男の子の文鳥さんでの発生が多く、高齢になると頻度が増すとされています。
文鳥さんの中でも、特にシロブンチョウさん、サクラブンチョウさんなどに多いとされています。
過緊張性発作は、病院の診察室内など、おうちとは違った慣れない環境で発生することがほとんどです。
発作の前兆として、キョロキョロと周りを見渡したり、瞬きが多くなりソワソワするなどの挙動不審の行動から始まり、足や翼をバタバタさせる痙攣が生じます。
そして、目を閉じて、開口呼吸や呼吸が速くなり、徐々に起立困難となってパタリと倒れてしまいます。
抱っこや、診察のため保定している際は挙動不審や痙攣に気付きにくく、ケージに戻した際にいきなり虚脱して「失神」したように見えますが、突然意識を失うヒトの「失神」とは異なり、何らかの前兆の症状があるのが特徴です。
通常は、数分で立ち上がり、しばらく半目で開口呼吸が続いた後に収まることがほとんどです。
しかし、特に高齢の小鳥さんには心臓への負担がかかってしまい、発作が重度の場合、脳神経へのダメージが生じて脳への障害や命に関わることもあります。
過緊張性発作の原因はよく分かっていないことが多いですが、遺伝的な要素や、心臓や高アンモニア血症など、他の基礎疾患が関わっているとされています。
診察室でおうちの小鳥さんが突然パタリと倒れてしまったら、飼い主さまは不安になってしまうと思います。
当院では、小鳥さんの性格を考慮し、負担の少ない治療を心がけております。
また、小鳥さんが緊張してしまう環境を少しでも軽減し、徐々に環境に慣れてもらうことも有効です。
普段からお出かけ用ケージで遊び、安心できる場所、ということを教えてあげたり、慣れたおもちゃを一緒に入れてあげるなど、飼い主さまのご協力が必要不可欠です。
おうちの小鳥さんの性格など、ご不安なことがございましたら、ご相談ください。