季節ごとに、小鳥さんと一緒に生活する上での注意事項をお知らせしています。
少しでも小鳥さんのことを知って、お役に立てればと思います。
小鳥さんの卵ができるまで
2024.11.01
10月頃から冬季にかけて、例年、渡り鳥さんの飛来と共に鳥インフルエンザ発生のニュースを耳にします。
卵の価格が高騰し、家計へのご負担も増えてしまうのが悩みのタネです。
今回は、小鳥さんの体内で卵ができる仕組みについてお話します。
小鳥さんの女の子の生殖器は卵巣と卵管でできており、左側だけ発達しています。
卵管は、哺乳類の卵管、子宮、膣に該当し、卵をつくるはたらきをします。
小鳥さんは成熟すると、環境刺激をきっかけに、卵胞の成熟を促すホルモンが分泌されます。
長日繁殖鳥のセキセイインコさん、オカメインコさんなどは、光周期が6~8時間より長くなると発情し、卵を作り始めます。
一方、文鳥さんなどの短日繁殖鳥は、日が当たる時間が短いと卵をつくる準備を始めます。
ホルモンの作用で卵巣から卵子(卵黄)が1つ放出され、排卵します。
小鳥さんの卵管はロート部、膨大部、狭部、子宮部、膣部から構成され、約24時間で卵がつくられます。
発情期の卵管は肥大伸長しており、鶏さんでは普段約15cmの卵管が、60cm以上になっています。
卵管の子宮部に卵が入ると、ホルモンやカルシウムのはたらきで子宮の収縮と、膣部筋肉の弛緩が生じて、産卵します。
カルシウムが欠乏すると、子宮部の収縮がうまくできず、卵殻がうまく作られず軟卵になるため、卵づまりを起こしやすくなります。
小鳥さんが1産卵期間(1クラッチ)内で卵を産む間隔は様々で、文鳥さんなどのフィンチ類は毎日、セキセイインコさんなどのオウム目は1日おきに産むとされています。
1クラッチでセキセイインコさんは4〜6個、オカメインコさんは平均5個、産卵するとされていますが、産卵数には個体差があります。
一方、鶏さんやアヒルさんは産卵期間が定まっておらず、連続して30個以上産むこともあります。
排卵から24時間以内に卵が出てこなかったり、産卵周期が狂った場合、卵づまりなどの問題が生じている可能性があるため、早めに受診しましょう。
卵づまりになると、床でうずくまる、沈うつ、膨羽、食欲不振、呼吸促迫、イキミなどの症状が認められます。
無症状の場合も、卵管収縮やイキミによる疼痛や、低カルシウム血症の状態が継続すると、突然ショック症状や心停止を起こすことがあります。
当院では、発情コントロール外来や、ごはんの指導など、小鳥さんの卵のトラブルの予防に力を入れています。
卵をたくさん産んでしまう、ずっと発情しているなど、お悩みがございましたらご相談ください。