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小鳥さんのビタミン欠乏症

2024.12.01

ご家族で過ごす時間が増える冬休み、新しい小鳥さんをお迎えするおうちも多いのではと思います。

今回は、ヒナをお迎えする際に気をつけたい、栄養障害の1つ、ビタミンB1欠乏症についてお話します。

 

「脚気」と聞くと、白米が普及し始めた江戸時代などに、多くの死者を出した国民病としてご存知の方も多いのではと思います。

諸説ありますが、徳川家将軍も脚気を患い、亡くなったとされています。

現代は、患者さんの数が減少している病気ですが、小鳥さんでは発生することがあります。

 

ビタミンB1(VB1)は糖代謝に重要な補酵素の役割があり、欠乏によって神経の糖代謝阻害が生じて、多発性神経炎を起こします。

VB1は穀類に含まれ、通常のごはんで欠乏することはほぼありませんが、アワダマ飼育されている巣立ち後の幼若齢の小鳥さんに多発します。

また、VB1は水溶性ビタミンのため体内に貯蔵されることなく、VB1が少ない飼料や、VB1の吸収を阻害、破壊する抗コクシジウム薬や防腐剤などが与えられている小鳥さんでも発生することがあります。

 

神経炎になると、握力が低下して脚の筋肉に麻痺が生じ、屈曲不全となります。

脚に力が入らず、床にぺたんとお腹を付けていることから、事故で脚を痛めたのでは、という主訴で来院される飼い主さまが多いです。

症状が脚から始まることが多いことから「脚気」と呼ばれています。

麻痺は徐々に脚全体に広がり、翼の震えや下垂が起こり、重症化すると、中枢神経が障害される神経症状や痙攣、開口呼吸が生じて命に関わります。

 

アワダマはアワを精白したムキアワに卵黄を添加して、加熱、乾燥したもので、小鳥さんのヒナ用のごはんとして市販されています。

アワのVB1は精白されると半減し、加熱処理工程でも破壊されます。

また、小鳥さんにアワダマを与える際、お湯でふやかすことが多く、水溶性ビタミンのためお湯に溶出して捨てられてしまいます。

 

巣立ち期の小鳥さんは、大人になるための第一歩として、運動量が増大します。

炭水化物の代謝も活発になり、補酵素のVB1の要求量が増加するため、アワダマのみのごはんのヒナさんで欠乏症が起きやすくなります。

 

お迎えした小鳥さんが挿しえの際、アワダマのみの飼育は控え、栄養をバランスよく摂取できるパウダーフードなどで必要な栄養を補ってあげましょう。

 

当院では、小鳥さんをお迎えした際は、健康診断を受診することをおすすめしています。

小鳥さんの成長に合わせたごはんのアドバイスや、感染症のチェックなど、小鳥さんが健康で楽しい新生活を始めることができるよう、お手伝いができれば幸いです。

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