季節ごとに、小鳥さんと一緒に生活する上での注意事項をお知らせしています。
少しでも小鳥さんのことを知って、お役に立てればと思います。
セキセイインコさんのキサントーマ
2025.02.01
今回は、セキセイインコさんの飼い主さまに知って頂きたい、黄色腫(キサントーマ)についてお話します。
キサントーマとは、皮膚の一部が黄白色に変色して肥厚し、伸展性がなくなった状態のことです。
かゆみによって、自咬や出血がみられることもあります。
セキセイインコさんの女の子に多く、他、アヒルさん、ニワトリさんでもみられます。
キサントーマは、主に、過剰な発情、肥満、肝臓病、甲状腺の異常など、高脂血症に関連して、腹部に多く認められます。
発情すると女の子の体内では、卵の材料となる、中性脂肪を作るために高脂血症となります。
高脂血症の状態が続くと、血管にダメージが生じて血管壁がもろくなり、「リポタンパク」とよばれる、脂質とタンパク質が結合した複合体が、血管の外に漏れてしまいます。
マクロファージという免疫細胞が、リポタンパクに反応して、一部に集まることで、皮膚が黄変、肥厚するとされています。
また、発情が原因のキサントーマの場合、抱卵のためにお腹の羽を抜いたり、産卵しやすいようにお腹の筋肉や皮膚が過剰に伸展することが、刺激になることもあります。
特に、過発情によって腹壁ヘルニアが生じた女の子で、ヘルニア嚢の皮膚がキサントーマになることが多いです。
特徴的な外観や病理検査などから、キサントーマと診断されたセキセイインコさんは、発情コントロールや、基礎疾患の治療などを行います。
内服薬を使用したり、自咬や出血を伴う場合はカラーを装着することもあります。
キサントーマの予防には発情コントロールや理想的な体型の維持が有効とされています。
当院では、おうちの小鳥さんの発情コントロールや、ごはんのアドバイスを積極的に行っております。
小鳥さんとの生活で、困ったことや分からないことがございましたら、ご相談ください。