季節ごとに、小鳥さんと一緒に生活する上での注意事項をお知らせしています。
少しでも小鳥さんのことを知って、お役に立てればと思います。
キンカチョウさんのメガバクテリア症
2025.03.01
まだまだ寒い日が続きますが、だんだんと春の気配も見られるようになってきました。もう少し暖かくなれば、初心者でも小鳥さんをお迎えしやすい時期になってきます。セキセイインコさんが今も大人気ですが、最近小鳥さん関連のイベントやSNSでの情報発信もありキンカチョウさんが人気トップ10に入るという調査もあります。そこで今回は、そんなキンカチョウさんで意外とみられるメガバクテリア症について考えてみましょう。
メガバクテリア症という病気自体は、よくセキセイインコさんで感染が見られるためブログなどで闘病記録を見たよという方もいるかもしれません。症例の多くがセキセイインコさんの報告で見られるため、時々この病気がセキセイインコさんしかかからないと勘違いしている方もいるようです。しかし、原因となるメガバクテリア菌は鳥種を選んで感染するわけではありません。罹りやすさに差はありますが、基本的にほぼすべての種類の鳥さんで罹ると考えてよいでしょう。中でも、キンカチョウさんは意外と感染しているケースが多い鳥さんです。そして、キンカチョウさんは難治性メガバクテリア症となるケースがしばしばみられます。複数羽で飼われることが多い、お薬に耐性を持った菌に罹っていることが多い、キンカチョウさんの代謝構造の影響などが考えられますが、はっきりとした理由は分かっていません。
もちろん、キンカチョウさんでも感染してからできるだけ早く診断して治療をすれば治る確率は上がります。また、なかなか治らない子でもしっかりと抗真菌薬を続けて少しでも感染数を減らすとともに、他の子にうんちなどを通して移してしまわないよう隔離が必要です。そして、メガバクテリア症は罹っている期間が長いほど、胃へのダメージが大きいほどその子のQOLを落とします。お薬や食事内容の調整などサポートが必要になることもあります。
メガバクテリア以外にも、キンカチョウさんが罹るかもしれない病気はいろいろあります。しかし、特に体の小さいキンカチョウさんは具合が悪くなってもできる検査が限られてしまうことも多いです。そのため、キンカチョウさんをお迎えしたらできるだけ早く、そして定期的な健康診断を受けるようにしましょう。