Column
コラム
セキセイインコさんのアボガド中毒
5月になりゴールデンウイークを迎えました。
小鳥さんとおでかけしたり、おうちで遊んだり、一緒に過ごす時間が増えることと思います。
今回は、おうちで注意したい、アボガドについてお話しします。
健康志向が高まる昨今、悪玉コレステロールを下げ、老化や生活習慣病の予防の効果が期待できるアボガドは、サラダなどで食卓に登場するご家庭も多いのではと思います。
アボガドには、オレイン酸、ビタミン(葉酸、ビタミンB2、B6、B1など)、ミネラル(銅など)が豊富に含まれる一方で、小鳥さんを始め、わんちゃん、ねこちゃん、うさぎさんに有害な「ペルシン」という物質も含まれています。
ペルシンは、アボガドの葉、皮、種子、果肉などすべての部分に含まれる物質で、特に、皮に多いとされています。
アボガドを食べてしまうと、24時間以内に中毒症状が出ることが多く、発症後は短時間で命に関わる危険性があります。
ペルシンは、肺や心臓に対して強い毒性を持つことから、心拍数の増加や、呼吸器に関わる症状が出ることが特徴です。
アボガド中毒の小鳥さんには、胸筋の皮下浮腫や、心嚢水腫が観察されたという報告もあります。
また、カナリアさんなどのフィンチ類に比べ、小鳥さんの中でも、特に、セキセイインコさんに毒性が強いという研究も報告されています。
小鳥さんがアボガドを食べてしまうと、
・食欲の低下、廃絶
・とまり木から降りてうずくまっている
・沈うつ、ぐったりする
・呼吸回が増える
・呼吸がハァハァゼェゼェしている
・羽を広げる
・呼吸が苦しくて上を見上げる(スターゲイジング)
などの症状がみられることが多いかと思います。
万が一、アボガドを食べてしまった場合は、そ嚢の洗浄や、症状によっては酸素吸入を行い、お薬を用いることもあります。
独特な食感のアボガドは、小鳥さんが好んで食べてしまうことがあり、おうちで、特に、誤食に注意すべき食べ物のひとつです。
アボガドの皮に毒性が高いことから、キッチンのシンクやごみ箱に近づいた際や、洗浄していないまな板などに付着したものを食べてしまう危険性があります。
小鳥さんを放鳥し、一緒に遊ぶ際は、目を離さないように注意し、キッチンには近づけないようにすることがとても大切です。
当院では、おうちの小鳥さんの健康診断や、ごはんなどのアドバイスなど積極的に行っております。
小鳥さんとのおうちでの過ごし方について、気になることや、ご不安なこと等ございましたら、ご相談ください。