Column
コラム
コザクラインコさんの羽毛障害行動
今年の夏は、各地で猛暑日が続き、日中のお出かけは控えめに、おうちの小鳥さんとご自宅で過ごされたご家庭も多いのではと思います。
今回は、小鳥さんの「羽毛障害行動(FDB、Feather Damaging Behavior)」についてお話します。
FDBとは、自分の羽を抜いたり咬みちぎってしまう自傷行為の毛引き(Feather picking)や、毛噛み(羽咬、Feather biting)のことで、羽嚢に損傷が生じて羽毛の正常な再生を阻害してしまうことがあります。
羽に留まらず、皮膚や自分の体を傷つけてしまう「自咬症」に発展しないように、小鳥さんの生活環境の改善や、問題行動の治療を行うことがとても大切です。自咬症は、非常に危険な問題行動で、損傷した皮膚から感染して敗血症を起こしたり、大量出血で亡くなってしまうことがあります。
成長に伴ってFDBを発症する小鳥さんも多く、子どもの小鳥さんと比べて、若い成鳥さんで 2 倍、成鳥さんで 3 倍になるとされています。
羽毛を抜いてしまう場所は、胸やお腹、脇、脚、尾部などが主で、お顔を残してすべての羽を抜いてしまうこともあります。
FDBの原因として
・生理的なこと(羽繕い、抱卵のための発情行動)
・精神的なこと(環境、性格、遺伝など)
・病的なこと(皮膚、神経、内臓などの病気、外傷など)
が挙げられます。
小鳥さんが上記のような、何かきっかけとする出来事があるとFDBを発症して、習慣となって悪化してしまうことも多く、はっきりとした原因が特定できないこともほとんどです。
精神的な要因として、お留守番が多い子の暇つぶしや寂しさ、分離不安の性格、思いどおりにいかないときにイライラをぶつける代償行動、抜羽の快感、など様々です。
また、ごはんの偏り、日光浴不足や騒音、嫌いな人や小鳥さんが縄張りにいる、などの飼育環境のストレスも、きっかけとなることがあります。
遺伝的な影響として、コザクラインコさんがFDBの好発種とされています。
コザクラインコさんの FDB の有病率は32%ほどで、セイセイインコさんと比べるとラブバードさんは 7 倍、オウムさんは 9.5 倍、FDBの有病率が高いという報告もあります。
特に、おうちの小鳥さんたちは人に挿し餌で育ててもらった子たちが多く、分離不安やコミュニケーション能力や社会性に未発達なところがあるなど、野生の小鳥さんより毛引きを起こしやすいとされています。
実際、人工育雛の小鳥さんのFDBの発症率は、5倍ほど高くなるという報告もあります。
・ 呼び鳴きが多い
・ お留守番が苦手
・ ご家族がそばにいないとパニックになってしまう
・ ご家族がいないとごはんを食べない
・ 不安を感じると物を破壊してしまう
・ 頻繁に羽繕いをする
などがみられる子は、分離不安の可能性が高く、要注意です。
当院の「FDB外来」では、おうちの小鳥さんのFDBの原因をご家族と一緒に考え、1つずつ解決策を模索していく治療がございます。
FDBの治療は長期に及ぶことが多く、ご家族は根気強く小鳥さんに向き合うことが求められます。
当院では、小鳥さんの問題解決だけでなく、ご家族のメンタルケアにも力を入れております。
おうちの小鳥さんの行動に気になることがある、分離不安傾向がみられるなど、ご不安なことがございましたらご相談ください。