Column
コラム
ヨウムさんの離乳失敗
今回は、赤ちゃんのサシエについてお話しします。
オウム類の赤ちゃんは鳥種によって離乳(サシエ卒業)の時期が異なりますが、セキセイインコさんなどの小型のインコさんは4〜6週、オカメインコさんは6〜8週と早い傾向があり、中型インコさん、大型インコさん、とサイズが大きくなるにつれ、長期間サシエを要する傾向があります。特に、タイハクさんなどの大型のオオムさんは5か月以上かかったという症例報告もあります。
ヨウムさんは、一般的には約2〜3か月前後が多いとされていますが、特に、サシエ卒業失敗(weaning failure、離乳失敗)が多い鳥種として報告され、サシエをやめると体重が減って体調を崩してしまい、生涯サシエを必要とする子もいます。
オウム類の離乳失敗の主な原因として、行動学的な依存と、潜在的な健康問題が挙げられます。
小鳥さんが育雛期に親鳥さんから離され、ヒトにサシエで育てられることで、ヒトを親や保護者として強く依存する「インプリント(刷り込み)」が生じることで、ごはんのもらい方やご家族への分離不安など、小鳥さんの行動学的な依存が生じるとされています。
また、育雛期に親鳥さんから離れて、ヒトが長期間サシエを続けることで、発達の遅延や食行動の遅れが生じる可能性があります。
自発的にごはんを探す必要がなく、ごはんを探して認識する機会(フォージング)が不足したり、嘴でつまむ行動が上手くできないなど、学習的な離乳遅延(behavioral weaning failure)が生じることがあります。
健康の問題として、栄養障害や消化器疾患などが挙げられます。
エネルギー量や、カルシウムなどの栄養素が足りず、十分に体重が増えずに成長の停滞、栄養障害、運動量低下が生じ、採食行動が遅延することもあります。
また、細菌や、PBFDなどのウイルス、メガバクテリアなどの感染症や消化器疾患が影響することもあります。衛生管理や、サシエの技術の不備により、クロストリジウムなどの細菌に二次的に感染してしまうこともあります。
離乳失敗は、カラダの成熟や性成熟とメンタルの成長のアンバランスが生じ、羽毛損傷行動などの問題行動につながる可能性はあります。
離乳のタイミングや方法については様々な研究がありますが、おうちの小鳥さんに合わせた、育雛方法や飼育環境を整えることがとても大切で、 ご家族の協力が必要不可欠です。
おうちの小鳥さんの育て方やごはんなど、ご不安なことや、わからないことがございましたら、ご相談ください。