Column

コラム

コラム

小鳥さんの爪切りは健康を守る医療ケア

診察の際に、小鳥さんの爪切りの頻度や、ご自宅での爪切りについてご相談を受けることがあります。

小鳥さんの爪切りの頻度に関する明確な基準はなく、適切な飼育環境であれば健康な小鳥さんの爪は自然に摩耗するため、すべての小鳥さんが定期的な爪切りを必要とするわけではないという報告もあります。

爪切りは小鳥さんがケガなく安全に生活し、足の健康を維持するための医療ケアの一環です。

野生の小鳥さんは、一日の大半をさまざまな太さや硬さの木の枝につかまりながら過ごし、長距離を飛翔することで爪が自然にすり減ります。

一方、ご家庭では、同じ太さの止まり木で過ごすことも多く、運動不足の影響もあり、爪が十分に摩耗せず伸びやすい傾向があります。

天然木など太さの異なる止まり木を複数設置したり、小鳥さんに合った太さの止まり木を選んであげることは、足裏への負担を分散させ、自然な爪の摩耗を促すのにとても重要です。

爪が長くなりすぎると、ケージの網やロープ、おもちゃ、布製品などに引っ掛かりやすくなり、爪が折れて出血したり、指を脱臼、骨折する原因となります。

爪が長くなりすぎたり、合わない止まり木使用していると、握る角度が変わり足裏の一部に体重が集中することで、趾瘤症(バンブルフット)という、足裏の炎症や潰瘍を引き起こすことがあります。

原因は、腎臓などの内臓疾患、外傷、肥満、代謝異常など、複数の要因が関係することも多いのですが、爪の長さや生活環境の見直しで改善することもあります。

小鳥さんの爪切りは単に伸びたから切る、だけでなく、安全に止まり木を握ることができているか、がとても大切です。

止まり木につかまると爪が大きく湾曲している、巻き爪がみられる、一緒に遊んでいると爪が引っ掛かるなどの場合は、一度、診察を受けることをおすすめいたします。

爪を削ることだけを目的とした研磨性の高い止まり木は、足裏を傷つけて趾瘤症の原因になることがあるため、常用はおすすめできません。

ご家庭での爪切りについて、慣れていない方が無理に爪切りを行うことはおすすめできません。

小鳥さんの爪は、わんちゃんネコちゃんと同じように、先端近くまで血管が通っています。

特に黒い爪の小鳥さんは血管が見えにくく、少し切りすぎただけで出血してしまうことがあります。たまに、ご自宅で爪切りをしたところ、血が止まらなくなった、という急患を受けることもあります。

また、小鳥さんは胸を動かして呼吸をしているため、間違った保定を行うと呼吸が苦しくなったり、暴れて骨折や脱臼してしまう危険があります。

実は動物病院での爪切りには、健康診断の目的もあります。

コンパニオンバードは定期的な健康診断を受け、爪やくちばし、羽毛、体重、筋肉量、足裏の状態などを総合的に評価することが推奨されています。

小鳥さんは体調不良を隠す習性があるため、見た目には元気でも病気が進行していることは珍しくありません。

当院でも、爪切りのみをご希望で来院された診察で、肥満や肝疾患、嘴の異常、趾瘤症、羽毛の異常、発情過多など、別の問題が見つかることがあります。

特に、肝臓などの内臓疾患では嘴や爪が通常より早く伸びるため、病気のサインになっていることもあります。

年齢や疾患による筋力や握力の低下に伴い、生活環境をバリアフリーにしてあげるなどの改善が必要です。

当院では、爪を短くするだけではなく、足や嘴、羽毛、体重など全身の状態を確認し、それぞれの小鳥さんに合わせた生活環境の指導なども行っております。

動物病院を受診したことがない小鳥さんは、爪切りを含め、健康診断で、一度、動物病院の受診をご検討ください。