季節ごとに、小鳥さんと一緒に生活する上での注意事項をお知らせしています。
少しでも小鳥さんのことを知って、お役に立てればと思います。
小鳥さんの体型について
2023.09.01
今年は例年になく、残暑の厳しい日が続きますが、秋の夜長、虫の音が心地よい季節となりました。
馬肥ゆる秋、というように、新鮮な穀物や美味しい秋の味覚をついつい食べすぎてしまい、体重が増えてしまった…というようなご経験、皆さまもあるのではないでしょうか。
但し、小鳥さんの場合は、体重増加や肥満は、健康に対するリスクが非常に高くなってしまいます。
今回は、鳥さんの体型についてお話します。
小鳥さんが、肥っているか痩せているかの判断は、胸筋の付き方キールスコア(KS)と、脂肪の付き方のボディーコンディションスコア(BCS)で行います。
それぞれ1〜5の5段階で評価し、数字が大きくなるにつれ、筋肉量、脂肪量が多いことを意味します。
KSは、胸中央にある胸骨の、竜骨突起(胸の中央に白く縦長にみえる骨)に付いている左右の胸筋の量で確認します。
小鳥さんのからだの筋肉の7割は、翼を動かして空を飛ぶための胸肉であり、放鳥等でよく運動する子や、栄養状態の良い子は、胸筋が発達します。
一方、飢餓や病気等で、栄養状態が悪くなると、胸筋から痩せてきます。
BCSは、腹部と脇の脂肪の付き方で確認します。赤色の筋肉に対し、脂肪はクリーム色や薄ピンク色に見えることが多く、肉眼でも容易に確認ができます。
脂肪がたくさん付着している子は、栄養を過剰に摂取している肥満体型か、内臓疾患により脂肪の代謝能力が低下していることが考えられます。
小鳥さんの理想体型は、胸筋がなだらかに左右に付いているKSが2.5から3、飛翔の妨げとなる脂肪がほとんどないBCSが1とされています。
一般的に、セキセイインコさんの平均体重は30〜40g程度、オカメインコさん80〜90g程度と言われていますが、性別、年齢、運動量、代謝などにより、理想体重に個体差があります。
肥満体型になってしまうと、高脂血症、高コレステロール血症の状態が持続し、肝臓や腎臓などの臓器に慢性的にダメージを与えてしまいます。
脂肪肝で肝機能が低下したり、腎肥大により坐骨神経が圧迫され、将来的に下半身麻痺になるリスクがあります。
また、過剰な発情の原因となり、生殖器疾患や骨疾患のリスクも高まります。
鳥さんの健康を維持し、発情コントロールを行うためには、理想体型を維持することがとても重要です。
体重とごはんの管理と、定期的な健康診断で、大切な小鳥さんの健康寿命を伸ばしてあげましょう。
診察では、ごはんや発情コントロールの相談なども行っています。
分からないこと、不安なことがございましたら、ご相談ください。